Lost in a paper trip
リスボンから日帰りで訪れたいくつかの場所へと記憶の旅は続きます。
不思議な宮殿や、古くて小さな町。海辺の岬。
どの場所にもとても気持ちのいい空気が流れていて、この旅の途中、
私はいつも上機嫌だったなぁと思い出します。
そんな気持ちのいい場所だからかな、道端で見かける犬も猫も
何だかのんきで幸せそうで、サントリーニ島に行ったときのことを
思い出しました。
そういえば、ポルトガルで見かける猫はなんだかみんな顔がしゅっと
していておもしろいなぁと思っていたのですが、古本市で見つけた
昔のリスボンの写真集に写っていた猫も同じ顔をしていて驚きました!
外周をぐるりと城壁に囲まれたこの町は中世の面影が残っていて、素朴でとても可愛らしいところでした。
城壁の上をトコトコと歩きながら町中を見下ろして廻ることができるので、何だか町の人々の生活を上から覗かせてもらっているような気分でした。
でも、実はストレンジャーである私の方が覗かれていたりして?・・・なんて、この2匹の写真を見るとそんなことを思ったりもしてしまいます。
ムーア人の城跡や宮殿のあるシントラは、なんだかまるで童話にでも
出てきそうな雰囲気でした。
気まぐれなお姫様や、威張りんぼうの王様が今にもそこの窓から
顔を出しそうな・・・。
中でもペーナ宮殿は、様々な様式がごっちゃになったようなユニークな
デザインで、ここにかつてどんな人が住んでいて、一体どんな毎日を
送っていたんだろうと思うと、何だか可笑しな想像がムクムクと沸き
あがってきて、止まらなくなってしまいました。
ほっと一息のおやつタイムも、いつも楽しみな時間でした。
元々は修道院で作られていたというお菓子、ケイジャーダは素朴な
味わい。
コーヒーは、ミルクとの分量によって呼び名が変わります。
だいたいいつも頼んでいたのは、コーヒーとミルクが半分ずつの
メディア・デ・レイテ。
海沿いのベレンを訪れた日はとてもいいお天気で、たくさんの人々で
賑わっていました。
ジェロニモス修道院の側の広場ではフリーマーケットが開かれていて
海に近い場所特有の、穏やかで開放的な空気が気持ちよかった。
海のあるところって、やっぱりいいなぁ。
今は海からずいぶんと遠い場所に住んでいるので、恋しくなります。
そしてロカ岬へ。
ユーラシア大陸の最西端で、目の前に広がる真っ青な海を見ながら
ダイナミックな海風に吹かれる、あの爽快感と言ったら!
そして、あの時見つめた水平線の先には、その後に住むことになった
北米大陸の東海岸があったんだなぁ、なんてことを今になって思うと
何だかちょっと、感動的です。
繋がってるんだなぁ、ということがボンヤリと浮かんできたり、
後はあの海を渡れば、私は地球を一周したことになるのかな?
なんてことを考えてみたり。
こんな風にぐるぐると記憶の中で旅をしていると、心って本当に
自由なものなんだなぁと思います。
次はどこに行こうかな?
そうやって、未来の旅先についてあれこれと想いを巡らせるときも
心はもう、その場所を旅しているのですから。
"Logic will get you from A to B. Imagination will take you everywhere."
- Albert Einstein