Journey, journey


ときどき、ふと旅行したいなぁ、という気持ちが沸いてきて
何だかウズウズ・・・そういうときって、ありますよね。

ニューメキシコと言えども、やっぱり冬は寒い日々。
こんな季節はなかなか自然の中に遊びに行くこともできないし、
そういえば、アメリカに住み始めてからはどこかに行くとなると
やっぱり日本へ帰国することになってしまうので、このところ
他の国に旅行に行けてないなぁ〜と、最近また旅心が疼いている
私です。

仕方がないので、過去に訪れた旅先の写真でも見て気持ちを
紛らわそうと、5〜6年前に訪れたポルトガルの写真を久しぶりに
見ていたら、なつかしい情景がふわ〜っと思い出されてきて
しばらくの間、私の心はすっかり異国へとトリップしていました。


ポルトガルは歴史的にもずっと気になっていた国だったのですが、
それ以上に、実は私のいとこが昔ふらりとスペインに遊学に行った際
お隣のポルトガルに立ち寄ったらすっかり気に入ってしまい、
そのまま数年間住み続けてしまったというエピソードがあって、
一体どんなところなんだろうと、ずいぶんとイマジネーションを
膨らませていたものです。


そんな憧れとともに降り立ったリスボンの街はどこかなつかしく、
ほっこりとした空気が流れていて、なるほどいとこのお姉ちゃんの
気持ちが分かるような気がするなぁと思いました。

石畳の道に、黄色い路面電車。
古い教会からきこえてくる鐘の音。
バカリャウ(干し鱈)料理。コリアンダーの香り。
カフェ・コン・レイテに、素朴な焼き菓子。

美しいパリも好きだし、格調あるウィーンも素敵だったけれど、
こんな風にもっと素朴で、歴史と文化の匂いがする中に人の生活が
見え隠れするような街は、ひとつ通りをまたぐごとにワクワクして
どうにも心がくすぐられてしまいます。


特に印象に残っているのが、エキゾチックなアルファマ地区と、
夜のリスボン。

アルファマ地区は、リスボンの下町のようなところで
イスラム支配下の時代の雰囲気が残る地域です。
ごちゃごちゃっと、細い通りや階段がまるで迷路のように
入り組んでいて、うっかりしていると、自分が今どこにいるのか
わからなくなってしまいそう。
そのときはちょうどお祭りの時期だったようで、なんだか
ますます不思議な世界に迷い込んだような気分になりました。



夜にリスボンの街を歩くと、石畳の小道が、街灯のぽぅっとした
黄色い光に照らし出されて、とってもロマンチックな雰囲気でした。

その時日本に住んでいたポルトガル人の友人が、リスボンっ子の
友達を紹介してくれていたのですが、その彼がどうしても行きたい
場所がある、ということで向かった先は、なんと夜の古本市。

ライトアップされた大きな広場にたくさんの古本ブースが並び、
ちょっとしたお祭りのような感じの、年に数回開かれるマーケット。
夜の古本市なんてなんだかいいなぁと、ウキウキしながら
私も何か気に入る本がないかと、ゆっくりと見て回りました。
そこで見つけた、80年代のリスボンを写したハートウォーミングな
写真集は、今でも大切な宝物です。

そしてカフェ・ブラジレイラの夜。
リスボンの老舗カフェは、リスボンっ子たちの憩いの場所です。


毎日色んなところを見て歩き回った後、夜はリスボンの街に出て
美味しそうなレストランを探して夕食をとり、最後はエスプレッソ。
そして街灯の明かりのもと、石畳の小道をてくてくと歩いてホテルへと
帰っていく・・・そんな一日の終わりの時間が、とっても幸せでした。


こんなふうに思い出していると、本当にまた旅行に行っているような
気分になって、なんだか楽しくなってきてしまいました・・・!
次回はリスボンの周辺の村や街へと、旅を続けてみようと思います。

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