Equinox -Good bye days of winter


例年よりも厳しかった、今年のボストンの冬・・・3月も半ばになって
ようやく春らしい日が訪れるようになりました。
とはいえ昨日はまた雪が降っていたのですが、今日は一転とてもいい
お天気で、暖かいなぁと感じます・・・といっても、現在2℃くらい。
零下の気温に慣れすぎてしまったので、このくらいでも春のようだと
感じてしまいます。

窓からの景色はまだ雪が積もっているけれど、小鳥たちが姿を現し始め
なんとなく空気も春のような雰囲気を纏っていて、きっとこんなふうに
寒さと春の日を繰り返しながら、今年も一気に夏のようになっていくの
だろうなぁ。

 冬が始まる頃の夕暮れ。空の色が本格的な冬の訪れを告げていた。

それにしても雪も多く、アラスカよりも寒い日が続いた数ヶ月間。
さすがのボストンっ子も"This winter is horrible!"と嘆くほどだったので
雪に慣れていない私にとっては、生活するだけで大変な思いでした。

スノータイヤやチェーンの装備の習慣の無いボストンで、ツルツルと
滑りながら冷や汗をかいて運転したり、
雪の積もるパーキングに車を停めたら前にも後ろにも動けなくなり
小一時間タイヤの周りを掘ったり小枝を咬ませて脱出を試みたり、
あまりの寒さに、久々に40℃近い熱を出して寝込んだり・・・

冬の光は鋭くて眩しい。この水辺もこの後はずっと凍っていたけれど、
そろそろ解けてきているかな。

そんな中で四苦八苦しながら生活していたのですが、気づいてみれば
雪の日の運転もコツを掴んで慣れてきて、雪国でのサバイバル知識が
身に付いたり、それにマイナス10℃、20℃の日には人生で初めて
ダイヤモンド・ダストを見ることが出来たりと、大変な中にも色々な
発見をしながらの数ヶ月でした。

そして、ふと気づいてみればなんともう3月!
時間が経つのが本当にあっという間でビックリしてしまいます。

お隣さんの雪の積もった屋根の上には時々リスの姿が。彼らは冬でも活動的。

熱を出して寝込んでいた間、私は久しぶりに何にもせずにゆっくりと
色々なことに思いを巡らせていました。

その中で、ニューメキシコからボストンに戻ってきた時に感じたことを
なんだか久しぶりにじっくりと思い出していたのです。

あの時久しぶりに都会に戻ってきて感じたのは、あぁ、社会とは一見
複雑なように見せかけられ、そして数字に支配されているんだな、と
いうようなことでした。
お金、時間、年齢・・・等々。
それに、無意識に、無防備にインプットしてしまっている不必要な
情報や、〇〇しなければいけないという観念。
人は、もっとシンプルでいいのでは?

ところがいつの間にか自分もその中に埋もれてしまって、何か大切な
ものを忘れかけていたような気がしました。

ニューメキシコの広ーい大地と圧倒的な空のもとで感じていた自由や
正しい意味での自尊心、そして今に生きるという感覚。
あの場所で、私はそれらをどんな風に感じていたのだったかな。
そんなことを、熱に浮かされボーッとした頭でぼんやりと思い出して
いました。

 
猫とネコヤナギ。外は雪。

そうだ、いつでもどこにいても、私はあの感覚を持ち続けよう。
息苦しさを感じた時には、あの大地を思い出そう。

そうしてショウガやレモン、水分などを充分に摂って、薬は飲まずに
暖かくしてぐっすり眠ると、翌朝にはすっかり熱が下がっていました。

冬の海辺。キーンと冷えた空気の中に青い空と青い海。 
凍えるほど寒いのに、心はしーんと澄んでいくようだった。


ところで、年が明けて少し経った頃、初詣代わりにニューハンプシャー
州にあるとある遺跡を訪れてきました。
約4000年前のものとされている石の遺跡なのですが、未だに謎と
されていて、どうやらネイティブ・アメリカンではなく、ヨーロッパ、
ケルトの巨石文明系のものであるとの見方が有力視されているようです。

イギリスのストーン・ヘンジのように、天文学との関連があり、
石を目印に円形のサークルと、春分/秋分、夏至/冬至の日の出と
日の入りの方角が示されていて、なんだか神秘的でした。

南米にはマヤやインカなど、ミステリアスな遺跡が多く存在しますが
じつは北米大陸にもいくつかこういった遺跡が残されているようなので
また機会があったら巡ってみたいなぁとも思います。

ちょうど、もうすぐ春分ですね。
新年の抱負にはちょっと遅いけれど、今年も自分の心に沿って素直に、
毎日を楽しんでいきたいなと思います。

Spring is coming very soon........!!

ミステリースポットに沈む夕陽。とても神秘的。
Hope this year brings you the greatest happiness!

More Posts