Signs of spring
近頃、昼間はすっかり暖かくなってきて、窓の外の桜の花も
ちょっとした間にもう満開を過ぎ、葉っぱの緑がちらほらと
顔をのぞかせるようになりました。
一面茶色かったニューメキシコの冬の大地にも、少しずつ緑色の部分が
目につくようになってきて、家の近所を散歩をしていると、可愛い小鳥
の鳴き声があちこちから聞こえてきて嬉しくなったり、ふっとロード
ランナーが目の前を走り抜けていってびっくりしたり！
夜にはコヨーテの遠吠えに耳を澄まし、冬の間は姿を見かけなかった
プレーリードッグたちも、ぞろぞろと穴から出てきました。
やっぱり暖かい季節はいいなぁ〜
冬の間に一緒に過ごした本やDVDにしばしのお別れを告げて、
こんな気持ちのいい季節は、軽装で外に出掛けていきたい気分です。
好きな写真集 "TETE D'OR" - by Jean-Luc Mylayne
ランニングシューズを新しくしたので、数日前からは夕方の涼しくなる
時間に近所を走ったり散歩したりし始めたのですが、その夕暮れ時の
空が、また本当に美しくて感動的。
ニューメキシコで何が一番好き？と聞かれたら、私はきっと「空」と
答えるだろうなと思うのですが、季節や時間帯、雲の出方やお天気に
よって、視界いっぱいに広がるこのニューメキシコの空は、毎日、
それぞれ違った表情を見せてくれます。
オレンジ色の大きな太陽が、朱色やマゼンダ色を伴って西の地平線へと
消えてゆく頃、東の空を見るとそこには藍色の別世界。
そして徐々に藍の分量が天空全体を占めていって、夜の帳が降りる。
その暖色から寒色へのグラデーションは、まるで絵画のような、
音楽のような・・・
いつもしばらく足を止めて、私はそれをじっと見つめてしまいます。
先日はそんなグラデーションの中に、とても繊細な新月が、キラリと
光る金星に寄り添っているのを見て、なんだか幸せな気分になりました。
コーナーが人でいっぱいでした！
こちらでは庭付きの素敵なお家に住んでいる人も多いので、
きっと皆、今からガーデニングに精を出すんだろうなぁと思いながら
私もそこに並んだ様々な種類のハーブや野菜の苗木を見ていると、
あ〜庭があったらなぁ・・・！と羨ましく思いました。
こんな季節は、音楽をかけながら庭作業なんかしたら、きっと
気持ちがいいんだろうな。
カートにいっぱいの苗木や土を入れて、仲良さそうに会話をしている
老夫婦の姿を微笑ましく思いながら、私はスイートバジルを買って
家に帰り、枝葉が随分と伸びてきたブーゲンビリアの鉢の隣に
それをちょこんと置きました。
この間種をまいたコリアンダーも、はやく芽を出さないかな？
春って本当、心が膨らみます。
