Summertime


8月に入って、ずいぶんと過ごしやすくなってきました。
先月までは日本にも匹敵するほどの蒸し暑さが続く日もあったのですが
今では朝晩は涼しくて、すこし秋の気配も感じられる今日この頃です。

去年はこちらへ戻ってきたばかりで、環境の変化にクラクラしている
うちに夏が過ぎ去ってしまったような感じだったのですが、今年は
だいぶ落ち着いて、ニューイングランドの夏を楽しんでいます。


初夏の頃に友人からマウンテンバイクを譲ってもらったので、久々の
自転車で、バイクパスをずうっとたどってサイクリングをしたのですが
これがとても気持ちがよかった・・・!

緑の匂いや頬にあたる風を感じながら、歩くのよりも早く、車よりは
ゆっくりなスピードで走ると、いつもの景色がまた違った風に見えて
なんだか新鮮。
バイクパス沿いには日よけに充分なほどに木々が生い茂っていて、
ところどころに沼地や池があったりもして、まるで森の中を駆け抜け
ているような気分になります。

さらにはふと小さなアンティークショップを見つけたり、パス沿いの
民家のデックから漂ってくるバーベキューの匂いや人々の笑い声に
ワクワクしたり・・・そんなことに気を散らしながらゆったりと走る
のもまたいいものです。
新しい、そしてスローな休日の楽しみ方がひとつ増えました。



猛暑でグッタリの時期には、友人の住むMarbleheadへ逃避行。
海沿いのアパートのバルコニーは涼しい上に最高の眺めで、そこで
お昼寝をしたり、絵を描いたり。
まるでセカンド・ハウスのような素敵なロケーションで、いつ行っても
すっかり癒されて帰ってきます。

海の側にいると、だんだん心も体も解放されてリラックスしていくのが
わかります。
水の持つチカラってすごいなぁ。。
普段バリバリと働いている友人が、ここにこだわって住んでいるのも
よく分かるなぁと、しみじみと思います。

Marbleheadは街自体は小さいのですが、アーティストやお洒落な住人も
多く、またこちらにセカンドハウスを持っていて夏の間だけ訪れている
人も多いので、ダウンタウンを歩いたり、ちょっとレストランへ行く
だけで旅行気分になれるのもまたこの街の魅力です。

また、その友人の友人たちが個性的でとっても素敵なので、いつも
良い刺激を受けてきます。
20代から70代まで、魅力的な女性が揃っていて、なんだかそんな中に
いるとパワーをもらえるし、女性として生きるのが楽しいな、と
思えてくるのです。
都会に生きるアメリカ人女性のパワーって、鮮やかで力強くて・・・
けれどもそんな中にちょこっと見える可愛いらしさが、何とも言えず
キュートだなぁ、なんて思ったりします。



そして、最近もうひとつの逃避先ができました。
メイン州にある友人宅です。
こちらも不思議な縁でお友達になったご家族なのですが、なぜだか
短い間にとても仲良くなり、この夏何日間か滞在させていただくことに。


Marbleheadの友人宅が別荘なら、こちらはまるで実家に帰ってきたかの
ようにホッとしてしまう、素朴な田舎のおうちです。
陶芸家でもある友人の自宅のスタジオで一緒に作品をつくったり
飼い犬と遊んだりしていると、のんびりしたムードの中でも、心は
ワクワクと、心身ともに活性化されているのを感じます。

そしてやっぱりこういった田舎の素朴さ、あたたかさ、のどかさは
大好きだなぁと、久しぶりに再確認したのでした。
たくさんはないけれど、生活していくのには充分なショップや
レストラン。シンプルな料理、シンプルな暮らし。優しい人々。
けれどもその生活の中には、実は都会暮らしよりもずっとクリエイ
ティビティが必要なのです。

想像力と創造力。
都会で生活していると忘れかけてしまうこのふたつの力を、ここでの
時間はしっかりと私に思い出させてくれるのです。



夏って、一年の中でいちばん「感じる」季節なのかなぁと思います。
考えすぎず、躊躇せず、ただ感じるままに行動してみたり、目の前の
体験に身を任せてそこからまた感じる・・・

太陽の陽射しや、砂浜の感触、海に入ること。
汗をかいて、日に焼けて、大声で笑い、涙すること。
人と自然と、繋がりを感じること。

この暑い季節が、私たちの感覚を呼び覚まし、感情をおおらかにし、
視野を広げ、心を開き、ひとつひとつの体験を全身で吸収するように
自然と促してくれるような気がします。
それは今を生きること。
刹那的というのではなくて、今この瞬間を最大限に味わうということ
なのかなと思います。

大人になると忘れてしまいがちなそんなことを、夏は他の季節よりも
少しだけ、私たちに思い起こさせてくれる季節なのかもしれません。

 Enjoy the rest of your summer!

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